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自宅での緩和ケア


コロナ禍の中、病院での闘病生活はつらいものになっています。
ご家族との面会や友達との面会も制限され、休日に自宅に帰ることも許されません。患者さんは病気と闘いながら、孤独な毎日を送っておられることでしょう。

私たちは、16年前から自宅での緩和ケアに取り組んできました。
訪問を始めた頃は、がん患者さんが自宅に帰ってくることはあっても、自宅で最期を迎えようと思うことはありませんでした。

自宅から病院への通院ができなくなると、ご家族のみが薬をもらいに行っていましたが、的外れな薬を処方されて、家では痛みをこらえて生活されていました。医師や看護師の訪問を受けることなく、がまんにがまんを重ね、最期は急変して救急車で病院へ運ばれて看取りを迎えていることが非常に多かったです。

私たちが訪問を始めると、ご家族も本人も大変安心されていました。 安心して自宅で生活し、最期は家で家族に囲まれて迎える・・・誰もが希望する最期の姿がありました。しかし、一方、都会では、核家族化が進み、老々夫婦による介護破綻も非常に多く見られました。息子、娘は遠方におり、あてにできない。「ゴールまでもう少し、頑張って!」と年取った家族を励ましながら、スタッフと一緒になって、患者さんを天国に送り出したものです。

この18年間に1300人以上のがん患者さんを訪問し、最期のお世話をしてきました。
自宅で介護破綻が起きた時のために、「アマニカス」を用意したのが、9年前。たくさんの方に利用していただきました。医療スタッフが手を伸ばしたところに存在し、家族も一緒に最期までお世話するアマニカスでの緩和ケアは、自宅と病院の中間型として喜ばれました。夫の介護のために何か月もアマニカスの21㎡のお部屋に住んでいた女性が、「先生、こんな小さな部屋が一つあれば、生きていけるんですね」としみじみ言われたことを覚えています。そんなアマニカスもコロナ禍で、ご家族と自由に会えなくなり、難しい時代になったと思います。

一番いいのは、やはり家ですね。住み慣れた自宅、同じ天井を見ていても、自分の家の天井は苦痛ではありませんよね。自宅の雰囲気は寝ていてもわかります。病気を抱えながらの生活は、なにかと不安が付きまといます。病院への通院が可能でも、24時間体制でいつでも相談できる自宅での訪問診療は貴重です。病院への通院もしながら、自宅での診療も受けてみましょう。病院の先生には気がつかないこと、小さなこと、ご家族のことなど、様々なことが、実は体調には影響するのです。

訪問を受けることで、ご家族の不安も解消され、ご家族が安心して生活することで、本人も安心して生活できるようになります。
訪問を受けることは、抵抗があるかもしれませんが、少しでも長く、自宅で生活するためにはぜひ必要なことです。

勇気を出して、新しいスタッフを自宅に迎えましょう。そして、一緒に戦っていきましょう。応援します。

あなたとのご縁をお待ちしています。

松永 美佳子

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