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腰部脊柱管狭窄症

80歳代後半の女性の方。

100mも歩くと痛みがひどくて外出もしにくく、家の中での仕事は痛みを我慢しながらやっている状態とのことでした。病院では手術を提案されたそうですが、年齢的な不安があって受け入れられなかったそうです。当院へは痛みがあるのに電車を乗り継ぎ、1時間かけて来院して下さりました。

 腰椎MRIでは腰部脊柱管狭窄症の診断で、重症度は高く、手術を提案されるのもうなずけるくらいでした。神経ブロックをご希望でしたが、果たしてこの病状で痛みの改善が望めるか・・・。正直あまり良い返事は出来ませんでした。硬膜外ブロックを施行してみましたが、椎間(背骨の隙間)が非常に狭くて、本来の目標部位ではなく、ひとつ下の部位での注射をせざるを得ませんでした。(こんなに手こずることはあまりないのですが・・・)

 ブロック後1週間して来院されました。開口一番、「随分楽になって梅田まで外出できました。痛み止めのお世話にもほとんどなっていません。」と笑顔でした。痛みはまだ多少残るものの、効果に満足頂いているようで私も嬉しく思いました。通院のご苦労はかけてしまいますが、さらなる改善を目指してもう少し継続して治療を行なっていこうと思います。

 このように画像からは諦めがちな脊柱管狭窄症でも、神経ブロックによって症状が改善する余地があるのだと改めて思いました。一方で、同じような状態でも回復に乏しい場合ももちろんあります。その違いはいったい何なのか?画像診断だけでは把握できない何かがあるはずです。長年診療していても疑問は尽きません。とにかく痛みが改善されるために最善を尽くすのみです。

 Dr. T