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意外に多い圧迫骨折

先日、不本意にも、レストランですべって転倒し、左膝のお皿を骨折しました。

声をこらえるのが難しいくらい痛かったですが、がまんして楽しみにしていた演奏会を聴き、車椅子で駐車場の車まで送ってもらって、なんとかクリニックまで帰宅し、あまりに腫れているので、自分で70mlほど血を抜きました。翌日は祭日だったので、骨折しているとは思わず、痛い痛いと言いながらあちこち歩き回っていました。

翌々日、骨折していることが判明し、その後2カ月ほどギプスをはめての不自由な生活となりました。大人になったら、何歳でも骨折が治るには3か月かかると言われ、ショックでした。

患者さんによく「転ばないように気をつけてね」と声をかけておきながら、自分が転んで骨折しているとは情けない。患者さんからも、随分心配していただきました。

こんな不幸は、急に降って湧いてくるものなんですね。年を取ると、転倒や尻もちをついた際、腰椎や胸椎の圧迫骨折を起こします。痛い、痛いと言いながらあちこちの病院を受診しますが、はっきりとした診断がつかないまま経過し、なかなかよくならないと言われて当院を受診される方が多いです。痛いながらも動きすぎていて、骨がつかず痛みが慢性化しているケースもよく見られます。初期に動きすぎると、骨折がうまく固まらず、割れたまま硬くなってしまって偽関節というものを作ります。あるいは、さらに骨折し、後の脊髄を圧迫することもあります。そうなると、寝たきり患者になってしまう恐れがあります。

当院では、痛みの強い方は、クリニック併設のアマニカスという施設に入居し、24時間体制の看護を受けながら、毎日、クリニックの外来で神経ブロック治療を行い、リハビリも1日2回行います。なるべく痛みを軽減し、きちんと安静を維持し、骨が付いたら歩行の練習をしていきます。年を取ると、痛みが長引くとリハビリもうまくいかず、寝ている時間が増えて足が弱ってしまいます。

いかに、早く元の生活にもどしてあげられるかが重要ですが、気持ちが急いでも、骨は時間が経たないと硬くなってくれません。

いったん寝込むと、食事量も低下し、気持ちも落ち込んで、死期を早めます。誤嚥性肺炎も起こしやすくなります。圧迫骨折は、ご高齢の方にとって、最後まで元気に自分の足で生活できるか、他人の介護の世話にならないと生きていけないかの運命の分かれ道。癌と同じくらい重要な問題です。

関西人は全国でも一番骨折が多い地域だとか。納豆が嫌いなのが骨を弱くし骨折しやすくなる原因ではないかとテレビで放送していました。せっかちなのも転びやすい原因だそうです。

私も納豆を食べて落ち着いた気持ちで生活したいと思います。

松永美佳子