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生きるための緩和ケア

乳がんの痛みで突然外来に飛び込んできてそのまま「アマニカス」に入居になったMさん。

聞けば1年以上もの間、痛みで苦しんでいたと。痛み止めも近所の先生に出されたけれど副作用が強く飲めなかったと。パンパンに腫れた右手を抱え1年もの間夜はぐっすり眠れていない、まっすぐ横になって眠れない、昼も夜も座ったままの状態で過ごすことが多いと。周囲の人との関係もうまくいかず、乳がんになってこれで死ねると思って何も治療しなかったと。

家族に病気を打ち明けやっと治療に前向きになろうとしたが、医療者の「治らないよ」の冷たい一言に傷つき病院通いをやめてしまったと。 

「アマニカス」で緩和医療を受けようやく痛みも少し楽になり、夜も横になって眠れるようになったけれど、Mさんにとってはまだ痛みが残っており、右手も自由に使えない。

あるとき「元気にはなれないかな・・・」とさみしそうにつぶやいた。私は思わず「えっ!来た時よりうんと楽になって、これからですよ!」と答えた。Mさんは「アマニカス」には最期の場所として選んで来られたようで「もう終わりだと思ってここに来たんです・・・。」「そうだね!今まではひとりで治そうと思って駄目だったんだよね。次は西洋医学も取り入れてこれからだね!」と。

痛み止めや症状緩和の薬も抵抗なく使いながら、時折冗談も言い看護師を笑わせてくれる。「もっと笑顔でいないとね」と。 

ナイチンゲールの教えに、人は自分で病気を治そうとする力を持っている。その力を最大限に発揮できるようにケアすることが看護であるとあります。

緩和ケアとはあきらめの医療ではない、痛みや苦痛、不安、心配事のストレスをなくして自分で治そうとする力を最大限にアップさせる「生きるための医療」なのです。

きんもくせいのかおり

                    ストマ